ただの日記

メリークリスマス。2022年12月24日の日記を書いておくよ。

タイムテーブル

7〜8時

犬が鳴いていた声で目を覚ますが、すんごく眠かったため二度寝。朝の散歩は父が行ってくれるので今日もそうだろうと。

8時15分?

両親に僕と弟が呼ばれて起きる。緊急性がありそうだったので。

一階食堂で犬が痙攣して倒れている。散歩から帰ってきた時までは普通に元気で、ふと見たらこうなっていたらしい。

見守るしかないのだろうが動揺して触りながら声をかける両親、弟。僕もそうしたかったけどなんかスペースが残っていなかったしそれが良いのかがわからなかったのでなんかスマホググる。意識が無い犬に触ると反応して噛んだりする可能性もあるので何もしない方がいいと書いてあったが言えなかった。スマホで動画を撮り続けた。

後脚は伏せの状態で前脚は寝転ぶ時の横向きで伸びきっていた。下半身が弛緩してしまっているようで、何度も糞を出した。3回くらいは。目が開ききってて斜め上を見たまま、閉じた口から少しずつ涎が垂れていた。痙攣は小さいというかほとんど無いくらいなのだが立ち上がろうとするみたいに下半身がきゅっと動いて、それが排泄になってしまっていそうだった。

目がとにかく怖かった。剥製ってやっぱり生き物じゃないんだろうなと感じた。いつものうちの子じゃない、別の個体みたいだった。僕の中では、表情が彼を彼たらしめていたらしい。一度だけ前足を伸ばしたままグイングイン動かし始めたのもかなり恐怖を感じた。歩こうとする動きなのか、脳が指令を出していないから自動的にそういう運動が起こるのか。前脚の動きで片方の後脚も伸びた。それは姿勢が若干安定した感じがしてよかったかもしれない。

この8時半ごろという時間が幸運で、9時から開いているそこそこ近所の動物病院に診てもらうことにした。

毛布でくるんで母(かな?)が抱きかかえると、それで意識が戻った感じがした。動画を見返すと、毛布に包もうと動かされたことで覚醒したようだ。なんとなくいつものあいつの表情になった。まばたきをしたのは車に乗ってからだった。

9時頃

実は僕は動物病院に行くつもりは無かったのだけど、なんか車に乗って犬を乗せるのを撮りつつサポートしていたら車が出発する感じになっていた。いつもの散歩かばんにトイレットペーパーを入れて持っていくつもりだったが忘れた。行くつもりだった他の三名(父母弟)も含め全員上着を着忘れた。僕は靴下も履いていなかった。

動物病院は既に満車に近かった。のに急患ということでかなり早く診てもらえた。血液検査とレントゲンと点滴をしてもらった。僕はほとんど車の中にいたので、検査結果を踏まえての診察は聞いていない。一人で車でぼーっとしていた。

10時半頃に様子を見に行くと検査後の犬は母に抱えられていて、結果待ちと診察待ちだった。会計にもどうしても時間がかかってしまうので、車が帰路についたのは11時を過ぎていたと思う。

車内での犬は、基本的に車移動を怖がってぴーぴー鳴き続ける。風景も見えないしGに揺られるから無理もない。今日はもうそんな元気もないのでおとなしい。帰りは、点滴のおかげか少しは元気になって、座席の上に寝かせていたら立ち上がった。怖がる元気が出たようなので一安心。

12時半頃

昼食を摂った。11時半くらいに帰宅すると、犬は割と元気にぐったりしていたので、ご飯を炊いて、昨日のすき焼きの残りを食べた。おいしいねやっぱり。なんとなく不謹慎っていうか忌々しい気もしたが、安心があったので結構弟とふざけながら食べた。

13時〜16時

昼食を終えて、本来の今日の予定であった自宅練習用のゴルフネットを組み立てた。僕と弟には何らメリットのない道具なのでごねつつの作業であった。開封したらパーツに番号が振られていて、説明書の小さい文字さえ読めれば作りやすくてよかっま。

まず、庭の設置予定地が地下茎やらぶっとい根っこやらででこぼこの状態だったためスコップで掘り起こして抜く作業が必要になった。これだけで15時くらいまでかかったんじゃないか。母が除草剤を買ってくるのを待ってから、撒いて除草シートを敷いて、やっと地面が整った。

パーツを説明書通りの場所に大まかに置いて、組み立てた。ちっちぇえなと思ったらまだパーツを足すことになっていて、完成形では3mくらいの高さになった。

この間、犬はおとなしかった。疲労もあったのだろう。外に出たがったので弟が出してみると、サンデッキに出てすぐおしっこをした。実は部屋の中のランダムな場所でいきなり出してしまうのが常態化していたので、犬は大層褒められた。

17時

まだ終わっていなかったと思う。追加で的のシートも買ってあって、それを取り付けるためのひもを父が買ってくるのを待った。ふざけんなよ?早く終わらせたいのに休憩なのかそうでないのかよくわからん時間を過ごしてマジで一日拘束される。ひもはパッケージにあったもやい結びという結び方を習得させられて、それで括り付けた。僕がもやい結びを学ぶ間、弟はグラブルをやっていた。

やっと完成したゴルフネットは、大きいのでそれなりの達成感を得られた。使わないし、今日という日はもっと重大だったような気もするのだけど。

そのまま犬の散歩に行こうとした。が、家の敷地内でおしっこをして、家の門を出てすぐにUターンして家に入ろうとしたので実質散歩はなかった。家の外でおしっこしてくれただけ偉い。おやつを三種類くらいあげた。僕はそっけないし愛情をそんなに注いでないけど、二人きりでやり取りする時は結構あいつに甘いのだ。

19時

母が作ってくれた夕食を摂った。人生で初めて参鶏湯を食べた。サムゲタン。鶏肉の丸ごとをなんか鍋で煮ていた。鶏がらスープなので優しめの味で美味しかった。クリスマスのチキン料理で韓国料理かよとは思った。思ったしもっとやんわりとした表現で発言したと思う。馴染みがないもん。オイシックスという食材宅配サービスをしばしば利用しているのだが、はっきり言ってあまり好みではない。本物かどうかよくわからん異国情緒を家庭に持ち込むなよ?おもしろいもんだね、母とか、誰かが作ってくれた料理だと思うと文句なんて言う気にならないけど、メニューを顔の見えない誰かが考案しているという前提が入ると食わんことはないが気に食わんところが見えてしまう。

申し訳ない。今日は気が立っているんだ。流石に緊張したから。

犬は父の椅子の下で寝てしまっていた。

21時頃

部屋でパソコンを触っていたら弟が犬に餌をやったか声をかけてきた。おやつとは別の餌があって、犬はおやつ最優先でご飯をあまり食べない。なので手で掬って差し出したりしてみると大抵食べる。甘えているのだ。そうやって少量ずつ食べると咀嚼がほとんどないのでよくないと思いつつ、やっぱり手から食べるとかわいい。で今日も朝の分の餌を残していて、点滴もしていたのでその残りを完食させて夕食分は追加しなかった。その今日の食事事情を弟は僕に尋ねたのだ。

夜の散歩の様子は聞いていないが、悪くはなかったんだと思う。今日は朝に糞を全部出してしまっているし、すぐ帰ってきたかも。

22時頃

お風呂に入ろうと一階に降りた。

犬が歩き回っている。元気になってよかった。いや、そうじゃない。ひたすら歩き続けているらしい。これ、徘徊だ。

声をかけても、移動し続けるのをやめない。なんだか痛々しくてやめてほしかったが、無理に抱こうとすると嫌がるし目的があるわけではないので止まる理由もない。ちょっと泣きそうになった。ここでも表情がどことなく別個体みたいだった。心ここに在らずという感じで。

みかんを食べるとき、必ず犬が寄ってきて二房くらいあげる。ダメ元で食べてみたらちゃんと寄ってきた。なんとなく欲しがる表情が子犬のようでまたあいつじゃないような不安感があったが食べた後、思い出したように布団(犬用の丸いベッド)に丸まって、以前から脚が良くないので結構はみ出して眠そうにし始めた。普段なら日中は眠りこけているところを起き続けていたし、体力の限界なのだ。すごく眠そうに目を閉じかけの状態でこっちを見るので頭を撫でると徐々に目が閉じていく。けれど頭を床に付けずに浮かせたままウトウトして、完全な寝る体勢になかなか入らなかった。これも初めて見る表情。点滴に眠くなる成分が入っているらしいので、そのせいかもしれない。寝かしつけたら24時くらいで、父が風呂から上がってきて、また起きた。

24時過ぎ

犬は、夜間は玄関のケージの中にある犬用ベッドで寝ることになっている。廊下に出して、眠ってくれたらよかったのだが、また徘徊が始まった。何度も何度も、少なくとも20周はリビングのドア、廊下、玄関の段、玄関のドア、を巡る。声をかけてもだめなのだ。それがなんとも悲しい。僕らがそこにいることは認識していて障害物としてちゃんと避けるのだけど、声をかけて寝るように促しても止まらない。両親が寝てしまってからもしばらく、徘徊する犬を目で追いながら一人ショックを噛み締めていた。玄関の段は犬の身長くらいあって、脚がよくなくなってからは段差に四角いクッションを置いて階段状にしているのだが、それのないところを降りて玄関に行こうとしてしまうので危ない。見かねてクッションをずらして対処した。不思議と俳諧のコースが決まっていて、降りる箇所が固定なのでそれでひとまず怪我を防げたかなと思っていたら玄関に降りる直前、段差の目前でおしっこをしてしまった。1ヶ月ほど前、フローリングでは犬がうまく踏ん張れないということで床に正方形のカーペットを敷き詰めた。これにより割としっかりと犬は歩けるのだがおしっこをされた場合その部分のカーペットを取り除き代わりに何かを敷けば対処できる。今回は、カーペットを取り払って、ただトイレシートを敷くだけにした。おしっこを漏らした犬は、徐々に徘徊の範囲を狭めて、ケージの中のベッドに寝転んでくれた。みかんの時と一緒で、何らかの日常的な刺激によって自我を取り戻すのかもしれない。毛布をかけて、撫でようとしたら今度はすぐに寝息を立てて首を床に接地してくれたため、僕も自室で睡眠に入ることができた。

が、当然寝付けるはずもなく、布団の中で1時間くらいかけて今日のことをこうやってまとめている。

暖房を消してドアを開けた。ベッドで寝ている向きをいつもと反対にして頭がドアに近くなるようにした。犬が声を出したり何らかの音が発せられたら気付きやすいように。気休めでしかない。無力だ。

たぶん認知症なんだろうな。どうしようもないような気がする。お風呂に入ったときに、曽祖母のお見舞いに行った記憶をふと思い出した。僕が小学3年生くらいのときだっただろうか。曽祖母の末期は、ボケが入っているのか孫である父をあまりわかっていない風で僕らひ孫は言わずもがな。という日もあれば、最後にお見舞いに行ったときはかなりはっきりわかってくれたような気がする。どの時かわかんないけど、曽祖母が僕らの手の甲に口づけをしたことがあった。まあ80は超えているおばあさんなのであんまり嬉しくない。嬉しくはないけど、当然拭うことはせず、なんとなくそのままの手の甲を持ち帰って、家では普通に何の感慨もなく手を洗ったような覚えがある。老衰への漠然とした割り切れなさ、忘れがたさを経験したような気がする。

ああいやだなあ。こうして吐き出せたので、ようやっと眠くなることができた。犬の様子を一瞬確認して、寝ようと思う。